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膝の軟骨再生、治験へ 細胞培養し移植 神大など
(2012/05/09) 先端医療センター病院(神戸市中央区)と神戸大医学部付属病院(同)は9日、激しいスポーツや交通事故などによる膝関節軟骨損傷の患者を対象に、本人から採取した膝の軟骨細胞を培養し、損傷部に移植する臨床試験(治験)を近く始めると発表した。欧州では2500例以上の実績がある治療法で、来年3月までに10例の実施を予定。民間企業による治験を経て、2015年中の国内承認を目指す。膝の軟骨は大腿骨と脛骨の端の表面にあり、関節をスムーズに動かす役割がある。損傷で痛みや動きにくさが生じ、進行すれば生活に支障が出たり、変形性膝関節症の原因になったりする。関節軟骨には血管がないため自然には元に戻らず、損傷部の周辺を刺激して組織再生を促す治療法などがあるが、十分な回復は難しいという。治験では、体重の負担がかかりにくい部位にある正常な軟骨細胞を採取し、タンパク質の一種であるコラーゲンのゲル(ゼリー状の粘質)を"足場"にして培養。損傷部に合わせ、生体素材ののりで接着する。縫合が不要なため手術時間が短縮され、従来より大きな部位を治療できる利点がある。移植後1カ月半~2カ月程度で自力歩行が可能になるといい、計1年半ほどかけて損傷部の回復を目指す。治験の対象は20歳以上50歳以下で、希望者は受診中の主治医からの紹介が必要。将来的には初期の変形性膝関節症への適用拡大も目指す。先端医療振興財団細胞療法開発事業部門の川真田伸副事業統括は「海外では既に有効性が確認されている治療法なので、できるだけ早く国内で広げたい」と話す。
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