高濃度カフェイン:細胞死の仕組み解明 抗がん剤応用期待 毎日新聞 2012年08月15日 12時43分(最終更新 08月15日 13時16分) カフェインのとりすぎで細胞が死ぬ仕組みを、筑波大の桑山秀一講師が分子レベルで解明した。高濃度カフェインの刺激で合成されたアラキドン酸が、細胞死を促進していた。この仕組みを利用すれば、効果の高い抗がん剤開発につながる可能性があるという。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に近く掲載される。 多くの多細胞生物は、自身の生存に不利益となる細胞を減らす「アポトーシス(予定細胞死)」という仕組みを備えている。 実験では、アポトーシスの仕組みを持たない単細胞生物の細胞性粘菌を、コーヒー約100杯分に相当する濃度のカフェイン溶液に浸すと、3時間後には20%しか生き残らなかった。アポトーシスとは別の細胞死が起きていると考え、生体維持にさまざまな役割を果たすアラキドン酸に着目。この物質を作れないようにした細胞性粘菌は、高濃度カフェイン液中でも生き続けたことから、カフェインがアラキドン酸の合成を誘発し、アラキドン酸が細胞死を促していると結論付けた。ヒトの細胞を使った実験でも同じ作用を確かめた。
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