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Tuesday, August 7, 2012

長崎大など、歯周病の発症などの遺伝子の一塩基多型と作用機構を解明


 [2012/08/01] 長崎大学は、歯周病の発症・増悪に関連するTLR4遺伝子の一塩基多型を発見し、その作用機構を解明したと発表した。成果は、長崎大 医歯薬学総合研究科 歯周病学分野の原宜興教授、吉村篤利准教授、佐藤佳昌院生らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、720日付けで「Journal of Biological Chemistry」に掲載された。歯周病の発症には、プラーク中の細菌が密接に関与しているが、歯周病原細菌外膜を構成する「LPS(Lipopolysaccharide:リボ多糖)」は、自然免疫系細胞に発現したTLR4によって認識される。研究グループは、同科附属原爆後障害医療研究施設 人類遺伝学研究分野の吉浦孝一郎教授らとともに、TLR4遺伝子と慢性歯周炎の関連についての解析を行い、「3'側非翻訳領域」に位置する「rs11536889遺伝子多型」における「C/C遺伝子型」は、慢性歯周炎患者に多く、重症度とも関連していることをかつて発見していた。今回は、日本大学松戸歯学部の小方頼昌教授らと共に、rs11536889遺伝子多型とTLR4の発現量や機能との関連について解析を実施。C/C遺伝子型被験者の「単球膜表面」におけるTLR4タンパク質発現量は、G(グアニン)/GG/C(シトシン)遺伝子型被験者の単球に比べ有意に多く、「末梢血単核球」のLPS反応性においても同様の傾向が見られるが、TLR4メッセンジャーRNAの発現量では遺伝子型間に有意差は認められないことが判明したのである。これは、「Gアレル」のrs11536889領域には、「hsa-miR-1236」と「hsa-miR-642a」の2つのマイクロRNAが結合して遺伝子発現が抑制されるのに対し、「Cアレル」のrs11536889領域にはこれらのマイクロRNAが結合できず、遺伝子発現が抑制されないことが原因であることが明らかとなった。これらの結果から、TLR4遺伝子多型rs11536889におけるC/C遺伝子型は、歯周炎などのTLR4活性化を誘因とする炎症性疾患のリスク因子となると予測され、疾患関連遺伝子として診断及び新たな治療法の開発に応用されることが期待されると、研究グループはコメントしている。

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