2018年04月05日 膵島移植で1型糖尿病患者のQOLが改善第3相試験データを解析 無自覚性の低血糖(impaired awareness of hypoglycemia;IAH)発作を伴う1型糖尿病患者では、膵島移植により健康関連QOL(生活の質)が有意に改善することが、「Diabetes Care」3月21日オンライン版に掲載の論文で報告された。米アイオワ大学のEric D. Foster氏らは、1型糖尿病患者に対する膵島移植の多施設共同第3相臨床試験であるCIT Consortium Protocol 07(CIT-07)試験に参加した患者を対象に、複数の尺度を用いて膵島移植前後の健康関連QOLや身体機能などを評価して比較検討した。その結果、疾患特異的な健康関連QOLの改善は臨床的に有効な変化があったと感じる最小の差異(minimally important difference;MID)と合致することが分かった。Diabetes Distress Scale(DDS)の総スコアとその4つの下位尺度はベースラインから有意に低下し(いずれもP≦0.0013)、Hypoglycemia Fear Survey(低血糖に対する恐怖感情調査;HFS)の総スコアとその2つの下位尺度はいずれの調査時点でも有意に低下していた(いずれもP<0.0001)。また、EuroQoL 5 Dimension(EQ-5D)の視覚的評価スケール(VAS) は、1年後および2年後の時点で有意な改善が認められた(いずれもP<0.0001)。以上の結果を踏まえて、Foster氏らは「CIT-07試験に参加した1型糖尿病患者の87.5%は、膵島移植から1年後の時点で重症低血糖発作を起こさなくなっていた。こうした患者では、疾患特異的な健康関連QOLと自己評価した全般的な健康状態が有意かつ臨床的に意味のある程度に改善することが分かった」と結論づけている。(HealthDay News 2018年3月29日)
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