髪の毛よりも細いスプリングにめっきを実現

 (エーブィエ   バイオファーム)日経テクノロジーオンライン 【創業】1947年 【資本金】2000万円 【代表】代表取締役桐原正明 【社員数】69人【住所】群馬県富岡市宇田250-6【得意な微細加工】微細部品へのめっき、他 通常では不可能な微細ワークへのめっきを可能にエルグは群馬県富岡市に本社・工場を置く、めっき加工のサプライヤーです。同社は微細部品へのめっき技術については、世界トップクラスの実績を持っており、「より小さな部品への精密めっき」をコンセプトにしている企業です。そんな同社の技術が垣間見えるのが、下図に示す髪の毛よりも細いスプリングへのめっきです。本連載第29回でも述べましたが、通常のめっきはバレルの中にワークを入れ、めっき液の中で回転させる方法、あるいはワークを個々に吊り下げてめっき液に浸す方法があります。ところが、こうした微細部品の場合はこのいずれの方法も適用できません。なぜなら、ワークが小さすぎてバレルの穴またはスリットを通過してしまうのです。あるいはスプリングのような形状だと、ワーク同士が絡まり、絡まった部分が無めっきの状態になってしまいます。ワークを吊り下げるにしても、微細なワークはそもそも吊り下げることができません。そこで同社は独自の治具を開発しています。同社の微細めっきは回路基板の検査用治具、接点部品、通信分野、車載分野などに使用されています（図1）。本連載第29回で紹介した世界最小の100μm角のサイコロに金メッキを成功させたのも同社です。