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Wednesday, July 18, 2018

血管可視化装置「Mill Suss」: 超音波


( エーブィエ バイオファーム) 超音波ガイド下より短時間でカテーテル留置安全に穿刺するためのツールとして現在、一般的に用いられているのは超音波装置だ。では、血管可視化装置は、超音波に比べて有用なのだろうか。札幌医科大学では、橈骨動脈カテーテル留置術に関して、血管可視化装置「Mill Suss」ガイド下と超音波ガイド下とでカテーテル留置にかかる時間と穿刺回数を比較する臨床研究を20163月~20183月に行った。現在、論文を投稿中のため、臨床研究の結果の詳細はまだ公表されていないが、「超音波ガイド下に比べてMill Sussガイド下の方が留置終了までにかかる時間が短い傾向にあるという結果が得られた」と札幌医科大学麻酔科学講座准教授の枝長充隆氏は話す。「超音波装置は、ガイド時にプローブが動くと見える場所が変わってしまう。だが、Mill Sussならば血管走行と針先を同時にモニターに映し出せるため、血管の走行に合わせて針先を操作するだけで穿刺できるためではないか」と枝長氏はその理由を分析する。ただし、穿刺回数に関しては、有意な差は見られなかったという。血管可視化装置は、血管が細い小児への穿刺の際も有用だ(動画1)。岡山大学病院では、脈拍触知法や超音波装置でも穿刺が難しい小児の症例に対する"最終手段"としてMill Sussを使用している。脈拍を触知できず超音波装置でも血管の位置が分からず、穿刺に難渋していた患者にMill Sussを使用したところ、「すぐに動脈ラインを確保できた」(岡山大学病院集中治療部助教の金澤伴幸氏)。また、超音波装置はモニターを見るために視線を移さなくてはいけないが、Mill Sussは手元の近くにモニターがある。そのため、穿刺がしやすく、血管走行と針先を同時に確認できることで「血管の中心を捉えやすい」(金澤氏)という。札幌医科大学では、橈骨動脈カテーテル留置術だけでなく、小児の手背部の静脈路確保に関して、静脈路確保までにかかる時間と穿刺回数を、直視下とMill Sussガイド下とで比較する臨床研究も行っている。現時点では、「穿刺回数と時間ともに有意差は見られない」(枝長氏)。ただし、直視下で何度か穿刺を試みたがうまくいかず、Mill Sussを使用したところ成功した事例は複数あったという。有意差は確認できていないが、「現場で使用した感覚としては有用という印象を受ける」と札幌医科大学大学麻酔科学講座診療医の大須田倫子氏も話す。

 


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