( エーブィエ バイオファーム)公開日時 2018/07/20 03:50 東レは7月19日、核酸医薬「TK-250」について、特発性肺線維症を対象にしたフェーズ1を開始すると発表した。特発性肺線維症は、指定難病である特発性間質性肺炎の1つで、何らかの原因で肺胞の壁が厚くなる線維化が進み、酸素等の交換がしづらくなっていく。同社は、線維化に関与するTGF-β1というタンパク質が発現しないように設計された一本鎖長鎖核酸を用い、遺伝子レベルで選択的に阻害する作用を持つ吸入剤として開発する。2020年代後半の上市を目指している。 同剤は、核酸医薬の国内バイオベンチャー・ボナック(福岡県久留米市)が創出し、東レが2015年12月に日本での独占的開発・販売・製造のライセンスを獲得、共同開発を進めている。フェーズ1は特発性肺線維症患者を対象に実施する米国で実施する。東レによると、フェーズ1の実施可能性を当局と相談した結果だとし、治験はあくまでも日本での承認、上市を目的にしたものだと説明している。フェーズ1は、日本医療研究開発機構(AMED)の事業により開発費用の一部支援を受けながら、同剤の安全性、忍容性、薬物動態を確認する。安定性と生産性に高めたボナック社独自の一本鎖長鎖核酸を用いる。特発性肺線維症の国内患者数は1万数千人と推定される。
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