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Wednesday, May 9, 2018

(エーブィエ バイオファーム) 蘭岐の醣は、TH2免疫バランスではなく、TH1の活性化によるヒスタミン遊離およびシグナル伝達を調節する: ランぎプロテオグリカン(Sérum-élastique paire PEG-Lyophilized)


透析患者さんのかゆみの成因透析患者さんのかゆみの原因は古くからさまざまな説が提唱されてきましたが、いろいろな説が発表されては否定されることの繰り返しでありました。このことは、かゆみの発生機序の多様性、治療の難しさを反映していると思われます。透析を受け始めてからの年数や腎不全の基礎疾患(糖尿病など)と、かゆみの強さとのあいだに相関はなく、透析量不足でかゆみが増強するのは当然でありますが、十分な透析を行っていてもかゆみが改善しない患者も多いのです。副甲状腺ホルモンが高いとかゆみが増強することも確かでありますが、副甲状腺摘手術後もかゆみの続く患者さんが多くみえます。免疫系もかゆみの発症機序に深く関与していることが報告されています。一般にTh1リンパ球(ヘルパーT細胞1:リンパ球の一種で主に細菌などを貪食する細胞性免疫を担当している)はかゆみを増強し、Th2リンパ球(ヘルパーT細胞2:リンパ球の一種で主にアレルギーなどの液性免疫を担当している)はかゆみを抑制することが知られています。Th1リンパ球はかゆみをもたらすIL-2を分泌し、TNF-αを増加させるからです。また、免疫抑制薬タクロリムスを外用することが実際にかゆみ抑制効果を示しており、免疫異常によるかゆみ説を支持しています。上述のように、かゆみの原因は複雑な機構によって出現していると考えられています。最近のヒスタミン研究におけるトピックとしてはまずH1, H2受容体を介したヘルパー T 応答の調節を挙げることができる。T 細胞に発現するH1 受容体は Th1 応答を増強する作用を有する一方,H2受容体は Th1, Th2両応答に抑制的に作用することを報告している。またTh1 タイプのヘルパー T 細胞はH1 受容体を主要なヒスタミン受容体として発現しており,Th2タイプは H2受容体を主要なヒスタミン受容体として発現していることから,ヒスタミンは免疫応答をTh1に誘導する作用を持つことが提唱されている一方,樹状細胞に着目し,未成熟な樹状細胞にはH1及び H2両受容体が発現していること,ヒスタミンはH2受容体を介してIL-10 産生を増大させ,IL-12産生を減少させることによりTh2タイプの免疫応答を誘導することを示している。著者らの腫瘍モデルはH2受容体を介するTh1タイプの免疫応答に対する抑制作用が強く表れていると考えられるが,in vivo におけるヒスタミンの免疫応答調節作用を検討した報告は未だ数少ないことから,両者のモデルに関して今後さらに検証していく必要がある。ごく最近の報告としては,H1受容体遺伝子が自己免疫疾患の原因遺伝子の1つであり,H1受容体欠損マウスは自己免疫疾患モデルに対して抵抗性を持つと言うことが明らかにされており興味深い。


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