2018/09/14塩野義製薬は9月13日、ロート製薬が肝硬変を対象に開発を進めている再生医療等製品候補 「ADR-001」について日本での独占的な開発・販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。現在フェーズ1/2の段階にあり、今後は塩野義が開発を進める。開発見通しは開示していないが、今回の導入は2020年度以降の持続的な成長に向けて、開発候補品の充足や新規技術導入などに積極的に取り組むために約200億円(18年度)を計上した「戦略的事業投資」の一環。同社にとって再生医療等製品の開発は初めて。ロートは2013年に「再生医療研究企画部」を新設、脂肪幹細胞に着目した再生医療等製品の早期実用化を進め、「ADR-001」を創製した。マウス肝硬変モデル、マウスNASHモデルでの検討では、肝硬変の特徴である肝線維化の改善が認められた。用いているのは他家脂肪組織由来間葉系幹細胞で、脂肪組織は組織中の多くの間葉系幹細胞を含み、採取時の侵襲性が比較的低く、入手は比較的容易だという。ロートは、非代償性肝硬変患者を対象に治験を行っている。しかし、製品化を見据えると、ロートはMRを持たないため、販路を持つ製薬企業と組む必要があり、今回、戦略的投資を進めていた塩野義と組むことになった。契約締結により、ロートは京都にある培養施設で製造し、塩野義が開発、販売、製造販売後調査等を実施する予定としている。塩野義は、肝硬変を対象とした適応症について独占的な開発・販売権を獲得したことで、契約一時金、開発に応じたマイルストン、および販売額に応じたロイヤリティーを支払う。金額等は非開示。ロートが持つ再生医療等製品候補はこの「ADR-001」のみ。塩野義は、他の再生医療等製品候補の導入、開発を行うかは未定だとしている。
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