整形で「デザイナー・ヴァギナ」を求める女性が急増 2018年3月29日(木)カシュミラ・ガンダー <インスタに投稿する写真を加工する感覚で、ちょこちょこ美容整形を受ける人が増えている>女性器の小陰唇や大陰唇の形やサイズを直す整形手術「ラビアプラスティー」の実施例がこの5年間で20%超増えたことが、米国美容外科学会(ASAPS)の調査で分かった。年に1度のASAPSの調査によると、ラビアプラスティーはこの1年間に11%増えた。2012年と比べると217%超増えている。2017年にアメリカで最も多かった美容外科手術は豊胸手術で、実施例は33万3392件。第2位は脂肪吸引で30万4850件、次いでまぶたの整形、胸のリフト、腹部の整形で、いずれも14万5000件前後。ラビアプラスティーは13万件超だ。調査によれば、メスを入れない処置も含めると、美容外科医の25%が膣の整形を手掛けている。背景には、いわゆる「デザイナー・ヴァギナ」、つまり理想的な膣を求める女性たちのニーズがある。まぶたの整形や豊尻手術も増加 国際美容外科学会の2017年の報告によると、ラビアプラスティーは世界全体で爆発的にブームを呼び、2016年の実施例は前年比45%増を記録した。2017年にアメリカで最も増えたのは、まぶたの整形で前年比26%増。次が豊尻手術で25%増、顔への脂肪移植とフェイスリフトは22%前後増え、首と上腕のリフトが20%増だった。非外科的処置の実施例も増えている。ボトックスなどの「注入」処置は過去5年間で40.6%、2017年以降では5.1%増えた。ボトックス注射の実施例は150万件超に上り、しわ、しみ、にきび痕などを目立たなくするレーザー治療「マイクロアブレーティブ・スキン・リサーフェーシング」も急速に普及し、99.5%増加した。 ASAPSはこれまで耳鼻咽喉科医と皮膚科医も調査対象に含めていたが、今回の調査では対象を有資格の美容外科医に限定し、291人の医師の回答を集計して報告書をまとめた。
性器の悩みも話せる 美容整形のニーズの高まりについて、本誌はASAPSのクライド・イシイ会長に話を聞いた。「いろいろな理由で処置を希望する患者が増えている。年齢差別がある職場で実力を認められたいとか、充実した気力体力に相応しい外見にしたい、あるいは単純に自分に自信を持ちたいといった理由だ」ラビアプラスティーの爆発的増加について、美容外科医のジェニファー・ウォルデンは、人々の意識の変化が背景にあると本誌に語った。「性器の外科手術や非外科的処置を望む人が増えたのは、ここ数年で性についての意識が大きく変わったからだ」「小陰唇の肥大や妊娠後の膣の緩みなどによる性器の機能上や見た目の悩みを、女性たちも恥ずかしがらずに医師に相談できるようになってきた。医療技術も進歩して、メスを入れずに改善できるケースも増えた」
ミリ単位の微調整 性生活の充実も、医療が目指す健康的な生活の一部と考えられるようになったことも、ラビアプラスティーが社会的に受け入れられるようになった一因だと、ウォルデンは言う。一方、ポルノやソーシャルメディアの影響で、性器の形状を過度に気にする女性が増えたことを懸念する専門家もいる。2017年にイギリスの医師がBBCニュースに語った事例では、11歳の少女が自分の「性器の形がおかしい」と訴えてきたこともあったという。インスタグラムに投稿する写真を加工する感覚で、美容整形を受ける人が増えていると、美容外科医のラーラ・デブガンは本誌に語った。「これからはミリ単位の微調整が美容整形の主流になるだろう。写真の加工のように、ほとんど違いが分からないような微妙な施術で、より魅力的にできる」デブガンも、若い世代は美容整形に対する抵抗がなく、気軽にクリニックを訪れるという。「20代でボトックスを受けようと考え、30代でまぶたや胸の手術をして、40~50代でフェイスリフト、ネックリフトを検討する。そういう時代になりつつある」
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