危険な「脂肪肝」は3つの方法で改善できる 肥満でない人も要注意 2017年04月19日脂肪肝とは、食べ過ぎや運動不足のために余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、肝臓に過剰にたまって、脂肪が肝臓全体の30%以上を占めるようになった状態をいう。日本人における軽度の脂肪肝は、いわゆる肥満体型ではない、見た目がスリムな人にもみられる。たった2~3kg体重が増えただけで肝臓に脂肪がたまる可能性がある。肝臓は再生能力・代償能力に優れ、ダメージを受けても残った細胞が働き機能を維持する。肝臓には痛みなどの症状が出ることはあまりないので、肝臓に異常があっても気付かず、気付いたときには病気がかなり進んでいる場合がある。日本人間ドック学会が2016年に発表した「全国集計結果」では、人間ドックを受診した人の33.2%で「肝機能異常」がみられ、「高コレステロール」(33.4%)に続いて多かった。「肝機能異常」のある人は、20年前と比較すると10.5ポイント上昇しており、男性の40.2%、女性の22.8%にみられるという。
脂肪肝があるとインスリン抵抗性が進行 脂肪肝は初期には自覚症状はあまりなく、本人も気づかないうちに忍び寄り、進行する。脂肪肝があると、狭心症や心筋梗塞など心疾患の合併率が高いだげでなく、全身でインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が進行しやすくなる。インスリンには肝臓などに作用して血糖値を低下させる作用があるが、その臓器に脂肪が蓄積すると、インスリン抵抗性が生じる。肥満でなくとも肝臓や骨格筋といったインスリンが作用する臓器に脂肪が蓄積するとインスリン抵抗性が生じる。その結果、高血糖や高インスリン血症になりやすくなる。金沢大学の研究によると、脂肪肝が悪化すると、全身が肥満体質になりやすくなるという。肝臓の脂肪量が多いほど骨格筋のインスリン抵抗性が高くなり、脂肪肝の悪化が、肝臓だけでなく全身のインスリン抵抗性の悪化に影響を及ぼす。脂肪肝があることでインスリン抵抗性がさらに進行してしまうという悪循環に陥りやすい。
運動をすると脂肪肝が改善 筑波大学の研究によると、活発なウォーキングなどの運動を1日に30分以上続けると脂肪肝が改善するという。研究チームは、食事・運動療法に取り組んでいる31~67歳の肥満の男性169人を対象に、活動量計を使い運動の記録をとり、脂肪肝がどれだけ改善するかを調べた。その結果、運動量が増えるほど内臓脂肪が減ることが明らかになった。ウォーキングなどの有酸素運動に3ヵ月間続けたグループでは、脂肪肝が改善していた。「中高強度の運動」を週に250分以上行うと、効果的な運動量になるという。肝臓などにたまった脂肪は遊離脂肪酸として放出され、運動のための直接的なエネルギー源になる。1週間に250分以上、1日に換算して30分以上の運動を続けると、肝臓にたまった脂肪が減りやすくなる。遊離脂肪酸が使われるのは、運動を開始して10分後くらいからなので、脂肪を燃焼させるには、運動をある程度の時間続ける必要があるという。
運動をすると「アディポネクチン」が増加 また研究では、運動を続けることで、善玉の「HDLコレステロール」と「アディポネクチン」が増加することが明らかになった。アディポネクチンは、脂肪細胞が分泌する生理活性物質「アディポサイトカイン」の一種で、動脈硬化を防いだり、血糖を下げるインスリンの働きを高める作用のある善玉物質として注目されている。アディポネクチンの分泌は、運動を続けることで改善していた。さらに、細胞を傷つけ炎症を引き起こす「酸化ストレス」は、糖尿病や認知症、心臓病、がんなどの病気の原因になる。運動を続けることで、酸化ストレスから体を守る仕組みが促されることが判明した。緑茶を飲むとLDLコレステロールの血中濃度を下げられる緑茶を毎日飲むと、悪玉の「LDLコレステロール」の血中濃度を下げる効果が高まるという研究が発表された。LDLコレステロールの大半は肝臓で作られる。血中濃度が高くなると動脈硬化が進行し、心疾患や脳卒中のリスクが高くなる。脂肪肝はLDLコレステロール値が上昇する原因となる。緑茶に含まれるカテキンには抗酸化作用がある。岐阜大学の研究で、緑茶のカテキンが、悪玉のLDLコレステロールを肝臓に取り込んで分解や排泄する働きを助け、LDLの血中濃度を下げる働きをすることが明らかになった。茶カテキンのひとつ「エピガロカテキンガレート」(EGCG)を継続的に摂取すると、肝臓でLDLコレステロールが取り込まれやすくなるという。岐阜大学の研究チームは、ヒトの肝臓細胞にEGCGを加えると、LDLと結び付いて肝臓に取り込む受け皿となる「LDL受容体」が増え、一方で受容体の分解を促す酵素「PCSK9」が減ることを発見した。
アルコールも脂肪肝の原因 脂肪肝の発症につながるもうひとつの要因が飲酒習慣だ。脂肪肝には、飲酒が関係する「アルコール性脂肪肝」と、飲酒しないのに起こる「非アルコール性脂肪肝」がある。アルコールが原因の脂肪肝を「アルコール性脂肪肝」という。体の中に入ったアルコールのほとんどは肝臓で解毒され、体の外へ排出されるが、この解毒の過程で、また肝臓の働きに異常が生じることにより、肝臓中に脂肪が増えてたまっていくのがこの疾患だ。その場合、第一に、節酒や禁酒によって過剰な飲酒を抑制することが重要だ。「わかっちゃいるけどやめられない」ではなくて、肝硬変になる前にお酒を控えること、自分の適量を体に覚えさせることが重要となる。
アルコールを飲まない人も要注意 アルコールが原因でない脂肪肝を「非アルコール性脂肪肝」といいう。原因は肥満や2型糖尿病、脂質異常症などによるものだ。そういう人は、インスリン抵抗性が進行しやすくなっている。インスリンの働きがにぶいと、肝臓に脂肪がたまりやすくなるため、脂肪肝になりやすい。以前は、このタイプの脂肪肝は放置しても肝硬変や肝がんに進むことはないとみられていたが、なかには、放置すると進行して「NAFLD」(非アルコール性脂肪肝疾患)になり、肝硬変や肝がんに進行するものがあると分かってきた。NAFLDは目立った症状がないため見過ごされやすく、しばしば肝硬変のようにかなり進行した段階ではじめて発見されるので、早期に発見して治療することが重要だ。
お酒に酔いやすい人にも脂肪肝のリスクが お酒に酔いやすい人は、たとえ飲酒をしないとしても、脂肪肝になるリスクが高いことが、熊本大学の研究で明らかになった。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに変換される。アセトアルデヒドは毒性があり二日酔いの原因となる。アセトアルデヒドを無害化する代謝酵素はアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)と呼ばれる。日本人は酵素活性の低い遺伝子変異を40%の人がもち、全く活性のない人も10%いるという。これらの人々はアルコールをあまり飲まないので、飲酒が原因のアルコール性脂肪肝のリスクは低いが、ALDH2活性の低い人でも心血管疾患のリスクが高まることが明らかになった。飲酒習慣のない人でも、ALDH2活性の低い人は、高い人に比べて、NAFLDの発症リスクが約2倍高いという。このように生活スタイルを健康的に変えていけば、脂肪肝を改善できることがさまざまな研究で確かめられている。「運動不足の人」「間食が多い人」「果糖をとり過ぎる人」は注意が必要だ。果物や清涼飲料水などに多く含まれる果糖は、摂取すると中性脂肪となって肝臓に蓄積されやすい性質をもっている。間食も、繰り返すと余分な糖質や脂質を摂取することになる。体重コントロールも効果的な方法だ。標準体重を目指して行うが、そこまで体重が落ちない段階でも、脂肪肝の状態を改善することが可能だという。
ランぎプロテオグリカン蘭岐の醣 Sérum-élastique paire PEG-Lyophilizedは、炎症性ヘプシジンおよびNF-κB活性化の抑制に関与する慢性疾患の貧血を逆転させる 鉄調節ホルモンであるヘプシジンの誘導は、炎症の貧血に寄与する。骨形成タンパク質6(BMP6)シグナル伝達は、肝臓におけるヘプシジン発現の中心的調節因子である。最近、TGF-β/ BMPスーパーファミリーメンバーアクチビンBは、非標準SMAD1 / 5/8シグナル伝達を介した炎症によるヘプシジン誘導に関与しているが、インビボでのその作用機能および機能的意義は依然として不明である。ここでは、アクチビンAではなく低濃度のアクチビンBが、肝細胞におけるSMAD1 / 5/8シグナル伝達およびヘプシジン発現を、標準SMAD2 / 3シグナル伝達と同程度に刺激し、 BMP6。アクチビンBは、古典的アクチビンII型受容体ACVR2AおよびACVR2B、非標準BMP I型受容体アクチビン受容体様キナーゼ2およびアクチビン受容体様キナーゼ3およびSMAD5を介してヘプシジンを刺激する。コレセプターヘモジュベリンはアクチビンBに結合し、アクチビンB-SMAD1 / 5/8シグナル伝達を促進する。アクチビンB-SMAD1 / 5/8シグナリングは、肝細胞由来細胞に対するいくつかの選択性を有し、他の細胞型のヘモジュベリンによっては活性化されない。肝臓アクチビンB mRNA発現は、リポ多糖類、テルペンチンおよび熱殺菌したBrucella abortusモデルを含む、増加したヘプシジンおよび低酸素血症に関連する炎症の複数のマウスモデルにおいてアップレギュレートされる。最後に、アクチビン阻害剤フォリスタチン-315は、マウスのリポ多糖またはB.アボタスによるヘプシジン誘導を鈍らせる。我々のデータは、非標準SMAD活性化のための新規メカニズムを解明し、インビボでの炎症の間のヘプシジン刺激におけるアクチビンBの可能性のある機能的役割を支持する。