Monday, August 20, 2018

AIで大腸ポリープを自動認識し組織診断を予測 慈恵医大とエルピクセルが共同で開発


2018/08/20 11:00人工知能(AI)技術を用いて、大腸内視鏡検査中にリアルタイムでポリープを検出し、その組織診断を予測する――そんな検査支援システムを東京慈恵会医科大学とエルピクセルが開発した。ポリープの見落とし減らすことで、将来の大腸がん発生リスクの低減を見込む。日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業「人工知能技術を用いた大腸内視鏡検査における病変検出・診断支援技術の開発」(研究代表者:東京慈恵会医科大学教授 炭山和毅氏)の支援を受け、同大学と分担研究者のエルピクセルが開発を進めてきた。同大学附属病院で収集した約5万枚の大腸ポリープ画像から作成した学習用データを基に、大腸ポリープを自動認識して組織診断の予測までリアルタイムに行うシステムである。

検出感度は98開発したシステムによる大腸ポリープの検出感度(AIが正しく検出した確率)は98%、陽性的中率(ポリープとして検出したものが、正しくポリープであった確率)は91.2%だとする。内視鏡専門医であっても発見が容易ではない平坦なポリープや微小ポリープに限定した場合でも、検出感度は93.7%、陽性的中率は96.7%となり、高い精度が確認されたという。研究成果を踏まえ現在、東京慈恵会医科大学附属病院の内視鏡室に本システムを設置し、臨床現場での評価に基づいた改良に取り組んでいる。2019年度は国立がん研究センターと共同で、同システムの有効性の確認を進める予定としている。

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