Wednesday, April 11, 2018

(エーブィエ バイオファーム) 緑内障の進展のための篩状板(しじょうばん, lamina cribrosa)構造の変化


緑内障…研究の現状は専門家に聞く生活習慣、加齢も影響か 2018.4.6 10視野が欠けたり狭まったりして、悪化すれば失明に至る緑内障は、40歳以上の5%が発症するとされる。治療の進歩で病気の進行を長期間、抑えられる患者も増えた一方、既存の治療では進行を食い止められない症例もある。多くの要因が複雑に関係する緑内障を解明し、新たな治療に結びつけるための研究の現状を専門家に聞いた。

眼圧上昇、視神経に傷 東北大の中沢徹教授(眼科)によると、緑内障が疑われた場合、視野、眼圧などを検査し、眼底を観察して病状を診断する。主な原因として挙げられるのは、眼圧の上昇により、視覚情報を脳に送る視神経が傷つくことだ。点眼薬や手術によって眼圧を下げる治療が行われる。眼圧を下げることができれば、半数以上の患者は病気の進行を抑えられることが分かっている。ただ一方で、患者の多くは正常範囲とされる眼圧でも発症し、東北大のデータでは約4割の患者が眼圧を下げても徐々に病気が進む。中沢さんは、視神経が眼球から脳に向かうときに通る「篩状板(しじょうばん)」という網目状の組織に着目する。ここが傷むと、視神経が締め付けられて傷つきやすくなるという見方だ。東北大では平成27年、近赤外線で眼の奥を撮影する光干渉断層撮影(OCT)という技術で篩状板の厚みを測定し、篩状板が薄くなると緑内障の症状が進むことを明らかにした。症状が出る前から薄くなり始めているといい、こうした検査が普及すれば、早期診断にも役立つとみられる。 酸化ストレス影響中沢さんは、正常眼圧で起こる篩状板の異常には、生活習慣や加齢による「酸化ストレス」が関与すると考えている。篩状板を構成するコラーゲン組織は、酸化ストレスの影響を受けやすい。東北大の患者251人を対象にした研究では、酸化ストレスの結果として体内にたまる物質を測ったところ、緑内障の重症度が高いほどこの物質が増えていることが判明。特に58歳以下の比較的若い患者では、強く関係していることも分かった。酸化ストレスと、酸化ストレスへの体の応答を緩和することが治療に結びつく可能性がある。緑内障研究では、患者ごとに遺伝子の特徴と症状との関係を明らかにする解析も進む。東北大の志賀由己浩非常勤講師(眼科)らは、緑内障患者と緑内障でない人を比較し、関連する遺伝子を特定しようとしている。最近では、患者565人の遺伝情報から、欧米の研究で緑内障との関連が知られていた3つの領域の変異が、日本人についても病気と関連していることを突き止めた。眼圧や血流、網膜の神経層の厚みといった患者ごとの病気の特徴が、これらの変異と密接に関連していることが分かった。将来、患者ごとに個別の治療を選ぶことも可能になるかもしれない。 定期受診が大切緑内障は40歳以上の20人に1人がかかっているとされるが、製薬会社が行った調査では、緑内障の人で自覚症状があって眼科を受診した患者は2割ほどしかいなかった。片方の目から起きる緑内障は、発病の初期には視野に若干の異常があっても脳の働きで見え方が補正され、異常であることに気付きにくい。多くは眼科検診や、眼鏡を作る際の検眼で発見されるという。では、悪化を防ぐにはどのように対処したらいいのか。中沢さんは「傷んだ神経は元に戻らない。視神経がそれ以上傷つかないようにすることが何よりも大切です」と話す。症状がゆっくり進むため、特に働き盛りの患者は、つい受診を怠りがちだ。しかし、視野が欠けたり狭まったりしてから元に戻すことは難しい。早い時期から定期的に受診し、そのつど最適な治療を受けて進行を抑えることが、高齢になるまで視力と視野を保つことにつながると強調している。


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