患者と家族の視点で静岡がんセンター公開講座15年 (2018/6/3)静岡県立静岡がんセンター(長泉町)の医師や看護師、栄養士や理学療法士など専門スタッフが最先端のがん医療について解説する公開講座(静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)が始まって今年で15年目を迎える。地域に密着し、正しいがん医療情報を伝えたいとの思いから開講し、一貫して患者と家族の視点に立った情報発信を続けている。2004年に開始した同講座は、毎年、全7回。多職種にわたる複数の講師が、それぞれの専門分野のテーマで講演する。本年度の講座は9日、三島市民文化会館で開講する。同センターによると、最大の主眼は「情報提供」。講座を通じて、患者や家族を含めより多くの人に正しい医療の知識を持ってもらいたいとの狙いがある。肺がんや乳がんなど各がんの最善の治療法やゲノム(全遺伝情報)医療など最先端医療に加え、患者としてがんと向き合う心構えや患者家族支援の受け方などを具体的に解説する。講演終了後、会場での質疑応答を充実させているのも大きな特徴。患者参加を重視し、聴講者からの素朴な疑問の声に、同センターの山口建総長と各講師が答える。会場のアンケートで出た各回約30の質問は集約し、次回講座の際に回答を資料として配布。相互コミュニケーションを図る。過去14年間の聴講者数は延べ4万人に上る。患者や家族、医療関係者ら毎回500~700人が訪れる。 膵臓がん発症の仕組みをマウスで解明、予防につながる可能性…京大・東大など 2018年5月31日 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作る技術を応用して、 膵臓すいぞう がんが発症する仕組みの一端をマウスの実験で解明したと、京都大iPS細胞研究所や東京大医科学研究所などのチームが発表した。治療が極めて難しい膵臓がんの予防につながる可能性があるという。論文が国際電子版科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。膵臓がんは国内で年間約3万人が発症しているが、無症状で進行するため早期発見が難しく、がんと診断されてから5年後の生存率は約10%にとどまっている。膵臓の正常な細胞で、色々な遺伝子に傷(変異)ができて発症すると考えられているが、不明な点も多い。チームは、人の膵臓がんで頻繁に見つかる遺伝子の変異をマウスの膵臓で起こす実験を行ったが、ほとんどがんは発症しなかった。しかし、遺伝子変異を持つマウスの膵臓でiPS細胞に変化するために必要な4遺伝子を3日間だけ人工的に働かせると、10日後にがんが膵臓全体に広がった。細胞がiPS細胞に変化する時、元の細胞の特徴が失われる変化が、最初に起きる。こうした変化が、膵臓がんの発症と関係しているらしい。膵炎を発症すると膵臓がんになりやすいとされるが、膵炎を起こしたマウスでも、元の膵臓細胞の特徴がなくなる変化が確認された。チームの山田泰広・東京大医科学研究所教授(腫瘍病理学)は「膵臓細胞の特徴を維持する薬があれば、膵がんの発症を予防できる可能性がある」と話している。
No comments:
Post a Comment