[東京 23日 ロイター] 米医薬品大手ファイザーと米後発薬大手マイランは23日、日本での後発医薬品(ジェネリック)の開発、製造、流通、販売について長期的な業務提携を締結したと発表した。 ファイザーは、既存の後発薬を含めて品揃えを拡充することが可能となる一方、マイランは、日本で認知度が高いファイザーブランドを使い、販売を強化する。 主にファイザーが販売とマーケティング、マイランが研究開発と製造を担当する。両社を合わせた後発薬は350製品以上、開発中の後発薬は125製品以上となる。多くはファイザーブランドで、両社名表記の包装で販売する予定。販売開始時期は今後検討するが、年内をめどとしている。また、今回の独占的業務提携は日本市場に限り、資本提携は含まない。 ファイザーのエスタブリッシュ医薬品事業部門プレジデントのアルバート・ブーラ氏は「ファイザーは販売、マイランは開発で優れており、両社の提携は高度に補完的だ」と述べた。 マイランのラジヴ・マリク社長は「規模、製品の範囲、品質の全てにおいて、ジェネリック市場で日本のリーダーになれる」と自信を示した。 日本では、政府が後発薬促進のための施策を打っている。ファイザーの松森浩士・取締役執行役員は、超高齢化社会に向かっている日本について「ジェネリック市場のポテンシャルは大きいと考えている。多くの欧米の国がそうだったように、スピードはどうであれ、後発薬の促進は加速される」との見通しを示した。日本の医薬品市場は米国に次いで世界第2位、後発薬市場では世界で6番目の市場となっている。 現在、マイランが日本企業に提供している後発薬については、契約の拡大や延長はないという。 米ファイザーは2008年にジェネリックを扱うエスタブリッシュ医薬品事業部を設立。日本でも09年に同事業部を立ち上げ、昨年7月に初のジェネリックを発売した。現在、27成分・58品目の後発薬を販売している。 一方、マイランは、後発医薬品メーカーとして米国第1位、世界で第3位の大手。 (ロイターニュース 清水 律子;編集 田中 志保)
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