横山勇生=編集委員1次治療としてソラフェニブの投与を受けたαフェトプロテイン(AFP)高値の進行肝細胞癌(HCC)に、抗VEGFR-2抗体ラムシルマブの投与が有効であることが、2件のフェーズ3試験のプール解析の結果示された。6月20日から23日までスペイン・バルセロナで開催されているESMO 20th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2018)で、米Harvard Medical SchoolのAndrew X. Zhu氏によって発表された。プール解析は、1次治療としてソラフェニブの投与を受けたAFP高値の進行肝細胞癌にラムシルマブの投与が有効であることを示したフェーズ3試験REACH-2と、その基になった試験であるREACH試験でAFP値が400ng/mL以上だった250人を合わせた542人の結果について行われた。REACH試験は、1次治療としてソラフェニブの投与を受けた進行肝細胞癌にラムシルマブ投与を行った試験で、全体としてはネガティブな結果だったがAFP値400ng/mLと予後が悪く、悪性度の高い患者で有効なことが示されていた。どちらの試験も2週間おきのラムシルマブ8mg/k投与+支持療法群とプラセボ+支持療法群に患者を無作為に割り付けて行われていた。プール解析に用いられた患者の背景は、ラムシルマブ群(316人)とプラセボ群(226人)で差はなかった。年齢中央値はラムシルマブ群が64歳、プラセボ群が62歳、ECOG PS 0はラムシルマブ群が54.7%、プラセボ群は52.2%、日本人患者はラムシルマブ群が19.3%、プラセボ群が17.7%、Child-PughスコアがA-5はラムシルマブ群が60.1%、プラセボ群が59.7%、ソラフェニブの中止理由が不耐用はラムシルマブ群が13.3%、プラセボ群が12.4%だった。ベースラインのAFP中央値はラムシルマブ群が4104.6ng/mL、プラセボ群が4047.5ng/mLだった。プール解析の全生存期間中央値はラムシルマブ群が8.1カ月、プラセボ群が5.0カ月、ハザード比0.694(95%信頼区間:0.571-0.842)、p=0.0002と有意にラムシルマブ群で良い結果となった。ランダム効果異質性モデルを用いてもハザード比0.689、p=0.0002で同様な結果が得られた。OSのサブグループ解析もすべてのサブグループでラムシルマブ群が優位だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は、ラムシルマブ群が2.8カ月、プラセボ群が1.5カ月で、ハザード比0.572(95%信頼区間:0.472-0.694)、p<0.0001で有意にラムシルマブ群が長かった。奏効率はラムシルマブ群が5.4%(95%信頼区間:2.9-7.9)、プラセボ群が0.9%(95%信頼区間:0.0-2.1)、p=0.0064、疾患制御率はラムシルマブ群が56.3%(95%信頼区間:50.9-61.8)、プラセボ群が37.2%(95%信頼区間:30.9-43.5)、p<0.0001でいずれも有意にラムシルマブ群の方が良かった。
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