( エーブィエ バイオファーム) 普及の課題は価格と使い勝手もっとも、血管可視化装置にも弱点はある。血管が深い位置にある人や脂肪が厚い人では血管に赤外光が届きにくく描写できない。また、超音波装置では確認できる血管の深さについては、現状の血管可視化装置では確認できない。装置によっては手術時に患者の体にぶつかってしまう場合もあるという。「もう少し小型・軽量化できれば使いやすくなるのだが」と岡山大の金澤氏は指摘する。また、血管可視化装置が日本で発売されてから10年近くがたつが、導入する医療機関は決して多くない。その一番の理由はこの装置を用いて安全に穿刺を行っても診療報酬で評価されないこと。その購入費用は、全て医療機関の持ち出しとなる。例えば、Mill Sussの定価は1台500万円。販売する日本コヴィディエン メディカル事業部マーケティング部マーケティング一課シニアマネージャーの渡邊素紀氏も「血管可視化装置が普及するためには、医療従事者が手にしやすい価格で提供できるような機器開発が必要」と指摘する。こうした課題が解消されれば、近い将来、超音波装置のように医療機関に1台は血管可視化装置が導入される時代が来るかもしれない。
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