産経新聞 9月25日(火)12時15分配信 食事でマグネシウムを多く取る人は、生活習慣病の2型糖尿病になりにくい-。欧米の疫学研究では以前から指摘されていた傾向が、福岡県久山町の住民の健康診断データを21年間にわたって追跡した九州大チームの調査で確認された。アジアでの研究は少なく、結果も一致していなかった。チームは、昭和63年の健康診断で糖尿病ではなかった40~79歳の住民1999人を平成21年まで追跡。このうち417人が糖尿病を発症した。住民が食事で取るマグネシウムの量は、昭和63年に70項目にわたる質問で把握。1日の平均摂取量によって4つのグループに分け、糖尿病発症との関連を調べた。それによると、マグネシウム摂取量が148・5ミリグラム以下の最も少ないグループと比較すると、摂取量が増えるほど糖尿病のリスクが下がるという結果になった。また、インスリンの効きが悪い「インスリン抵抗性」の人、習慣的に酒を多く飲むなど一般に糖尿病のリスクが高いとされる人で、マグネシウム摂取による予防効果がより高い可能性も示された。データは、横浜市で開かれた日本糖尿病学会で発表された。マグネシウムは豆や海藻をはじめ、精製していない食品に広く含まれる。厚生労働省は30~49歳の男性に1日370ミリグラム、同年代の女性に同290ミリグラムの摂取を推奨しているが、実際の摂取量は男性平均250ミリグラム、女性同224ミリグラム(平成22年国民健康・栄養調査)で、だいぶ下回っている。食品による取り過ぎの報告はないが、サプリメントなどで過剰に摂取すると下痢などを起こすことがあるという。
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