食事の際に食べる順番に気を付けると、血糖値の急激な上昇が抑えられ、太りにくくなるともいわれている。野菜から先に食べる「ベジファースト」は、一般にも広く知られるようになったのではないか。このたび、食べる順番と血糖値に関する興味深い研究結果が、同志社大学の八木雅之教授らの研究グループから報告された。白米を食べる前にヨーグルトを摂取すると、食後血糖値の上昇が抑えられるという。研究の詳細は、3月31日発行の「Glycative Stress Research」(電子版)に掲載されている。
「先にヨーグルト」で血糖値の急上昇が抑制 研究グループは、健康な男女20人(平均年齢35.8歳)に、食べる順番を変えた次の4つのパターンの食事―(1)白米のみ、(2)先に野菜サラダ、その後に白米、(3)先に白米、その後にヨーグルト、(4)先にヨーグルト、その後に白米―を摂ってもらった。白米は150g。野菜サラダはオニオンとレタスのミックスサラダで、ドレッシングは使用しなかった。ヨーグルトはプレーンを用いた。食事の時間は10分間。食前と食事開始から15・30・45・60・90・120分後に血糖値を測定し、食べる順番による血糖値の変化を調べた。その結果、野菜サラダまたはヨーグルトを白米より先に食べると、食事開始30分後と45分後の血糖値の上昇が、白米のみに比べて明らかに抑えられていた。また、食事開始15分後と90分後にも血糖値上昇を顕著に抑制したのは、白米より先にヨーグルトを食べた場合のみだった。続いて、白米とヨーグルトの摂取順序による影響を調べたところ、食事開始30分後、90分後では、どちらを先に食べても、白米のみの時と比べ血糖値の上昇が明らかに抑えられていた。さらに、食事開始15分後と45分後にも血糖値上昇を顕著に抑制したのは、白米より先にヨーグルトを食べた場合に限られた。研究グループは「ヨーグルトの高血糖抑制作用には、過去に行われた実験でも示されているように、ヨーグルトに含まれる乳ホエイ中のアミノ酸や乳酸が関連している」とコメント。加えて、「健康診断で測定する空腹時血糖の値が基準範囲内であっても、食後の極端な高血糖状態は老化につながる恐れがある。食事にヨーグルトを追加して食後高血糖を抑えれば、老化を予防できる可能性がある」との考えを示した。(あなたの健康百科編集部)
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