内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇腹囲の増加は「危険信号」 2017年06月16日ウエストサイズが大きくなり、内臓脂肪が増えると、がんの発症リスクが上昇することが、国際がん研究機関(IARC)の4万人以上を対象とした研究で明らかになった。「ウエスト周囲径の増加は、がんリスクと密接に関連しています。ウエストサイズがゆるくなり気になりだしたら、それは"危険信号"とみるべきです」と、国際がん研究機関(IARC)のハインツ フリースリング氏は言う。体全体がスリムであっても、腹囲(ウエスト周囲径)が増え、内臓脂肪がたまっているケースもある。そうした場合でもがんの発症リスクは上昇するという。今回の研究では、平均年齢62~63歳の計4万3,419人(男性 1万8,668人、女性 2万4,751人)を対象に、前向き調査で追跡した7件の研究結果を分析した。中央値12年間の追跡期間中に、1,656人が肥満関連のがんと診断された。その結果、腹囲(ウエスト周囲径)が11cm増えるごとに肥満関連のがんリスクは13%上昇していた。内臓脂肪が増えると、エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンの値が変化する可能性がある。また、インスリン値も上昇し、体に炎症が起こりやすくなる。これらはいれずれも、がんリスクを上昇させる原因になるという。「体格指数(BMI)と内臓脂肪は、肥満に関連するがんリスクを知るための良い指標となります。標準体重を維持し、ウエスト周囲径が増えないようにすることが、がんを予防するために重要です」と、フリースリング氏は言う。「がんの発症リスクを減らす可能性の高い方法を広く認知してもらうことが重要です。肥満を解消すれば必ずがんを予防できるわけではありませんが、標準体重を維持することは、2型糖尿病や高血圧、脂質異常症の予防・改善につながり、多くのメリットがあります」と、英国がん研究所(Cancer Research UK)のは、ジュリー シャープ氏は言う。「食べ過ぎを抑え、栄養バランスの良い食事をとり、体を積極的に動かし運動することが重要です。人生の長期にわたり小さな改善を積み重ねることで、体重や内臓脂肪が増えるのを防ぐことができます」と強調している。
Where body fat is carried can predict cancer risk(英国がん研究所 2017年5月24日) Comparison of general obesity and measures of body fat distribution in older adults in relation to cancer risk: meta-analysis of individual participant data of seven prospective cohorts in Europe(British Journal of Cancer 2017年5月23日)
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