2012年08月14日PM05:00 タカラバイオ株式会社は、滋賀県草津市に、細胞・遺伝子治療用の研究・製造施設を新設すると発表した。新施設は、遺伝子治療や再生医療用の遺伝子導入用ベクターおよび遺伝子導入細胞のGMP製造や、基盤技術開発を行うための施設。 GMP製造(医薬品の製造管理、品質管理基準に準拠した製造)の対象となる遺伝子導入用ベクターは「レトロウイルスベクター」「iPS細胞作製用プラスミドベクター」「HF10等の単純ヘルペスウイルス」「アデノ随伴ウイルスベクター」「センダイウイルスベクター」「レンチウイルスベクター」「アデノウイルスベクター」などを想定している。同社は、日本・米国で、HSV-TK遺伝子治療、MazF遺伝子治療、がん治療薬HF10などの臨床試験を実施し、2017年以降の商業化を目指している。また、本社(大津市)・草津事業所(草津市)にある既存の施設を利用し、遺伝子治療・細胞医療の基盤技術開発や自社プロジェクト用ベクターのGMP製造、臨床試験用ベクターのGMP製造受託サービスも行っている。施設の概要と今後の展開 同社の遺伝子治療臨床開発プロジェクトは計画通り進んでおり、臨床試験後期のステージにおいて、製造施設の拡張が必要。さらに、遺伝子治療臨床試験の後期ステージにおいても、厳密な管理のもとで集約して実施する細胞加工施設が、医療機関内ではなく自社の施設として必要となる。体外遺伝子治療の臨床試験を実施している国内で唯一の企業でである同社が、この優位性を確固としたものにするため、新施設を設置し、遺伝子治療の自社プロジェクトを加速させ、大学や企業からの遺伝子導入用ベクターのGMP製造受託サービスの売上拡大を図る。研究開発の効率化も図る。現在、施工業者の選定を行っており、新施設の投資額は、併設する前臨床試験用動物実験施設も含めて40億円程度で、完成時期は2014年3月を予定している。今回取得を決定した土地は、新施設の建設に加え、国内拠点の統合も視野に入れ、生産性の向上とコスト削減の観点から事業拠点の再配置を検討していく。なお、新施設の投資額に土地の取得代金をあわせた総投資額(約70億円の予定)は、全額自己資金でまかうということだ。
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