AFP=時事 9月11日(火)14時24分配信 【AFP=時事】自閉症の症状のうちアミノ酸不足との関係が判明しているまれな症状が、ごく一般的なサプリメント(栄養補助食品)によって改善される可能性が、6日の米サイエンス(Science)誌に掲載された研究論文で明らかになった。
米国で自閉症の子どもが急増、米疾病対策センタ ー研究チームは、一部の自閉症患者にみられる、特定のアミノ酸の代謝を促進する遺伝子変異を突き止めた。こうした必須アミノ酸(分岐鎖アミノ酸、BCAA)はヒトの体内で作り出すことができないため、食品から摂取する必要がある。今回特定された遺伝子変異のある患者では、代謝が促進されるために通常よりも早く体内のアミノ酸が消費されてしまい、このことが自閉症の神経行動学的症状と関係した(アミノ酸の)不均衡を生んでいるのではないかと研究者らは指摘している。研究を行った米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)、ジョセフ・グリーソン(Joseph Gleeson)氏らのチームは、てんかん性発作がみられる自閉症の子どもたち数人の遺伝子情報を調べた後にこの遺伝子変異を特定した。次に、てんかん性発作など自閉症的な症状を示すように遺伝子を操作したマウスに、健康食品店で入手できるサプリメントを与えたところ、マウスの症状に改善がみられたという。グリーソン氏の研究所のメンバーで、論文の第1著者であるガイア・ノバリーノ(Gaia Novarino)氏は「マウスで症状改善が確認されたので、次は我々の患者の治療に効果があるかどうかが問題だ」と語った。同チームによれば、人間の患者でもこのサプリメントを使用してアミノ酸の不均衡を修正することはできたが、こうした処置が自閉症の症状を改善する治療法につながるかどうかを決定付ける十分なデータは得られていない。自閉症でてんかん性発作がみられるのは患者全体の約4分の1だが、グリーソン氏はそうした患者は「極めてまれ」だとの認識を示した。このサプリメントが効く仕組みは不明だが、今回の遺伝子変異の特定は、自閉症やてんかんの検査基準の設定に役立つとの期待も呼んでいる。【翻訳編集】 AFPBB News
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