産経新聞 9月24日(月)7時55分配信神戸市で28日から本格稼働するスーパーコンピューター「京」を活用し、大日本住友製薬が、新薬候補の絞り込みを通常の3年半から半年程度に短縮する計画であることが23日、分かった。低迷する日本の新薬開発だが、「京」の活用で活性化し、海外勢に対して優位に立つことができる。 医薬品開発は、研究開始から発売まで10~20年弱かかる。健康な人や患者に投与して効果を調べる治験(臨床試験)には一定の期間が必要で、有望な新薬候補を絞り込む段階の期間短縮が早期の新薬投入のカギを握る。 従来は、病気に関連するタンパク質と化合物を反応させる実験を手作業で繰り返し、新薬候補を選んでいたが、この絞り込み作業を京が担う。 大日本住友製薬はすでに、社内のコンピューターを使ったバーチャル(仮想現実)実験で、新薬候補の絞り込み期間短縮を図ってきた。しかし、薬効を正確に評価するには、1日に1タンパク質に対して1化合物を解析するのが限界だった。 これに対し、京は1秒間に1兆の1万倍の1京回の計算ができ、1日に100化合物以上の解析ができるようになるという。
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