Tuesday, June 26, 2018

(エーブィエ バイオファーム) ミツマタ産地再興へ挑戦中国・四国


20180626日ミツマタ栽培に挑戦する福賴さん。3月中旬~4月上旬が花の見頃で、辺り一面が黄色く染まる(島根県安来市で)輸入品に押され生産減少の一途をたどる、和紙原料のミツマタ。主産地の中国・四国地方では再興を懸けた新たな挑戦が始まっている。省力化に活路を見いだそうとする動きや獣害対策として栽培に取り組む他、紙以外の用途として加工品の開発で新しい価値を生み出している。(柳沼志帆) 紙幣原料自給めざす島根県安来市 島根県安来市の福頼貴司さん(63)は、「"国の顔"くらい国産で作ろう」と、2年前からミツマタ栽培を始める。日本の紙幣の原料の多くが外国産だということをテレビ番組で知って、衝撃を受けたのがきっかけだ。ラーメン店を営む中、第二の人生に林業を考えていた頃だった。同県は古くからの産地で、紙幣原料として国立印刷局にミツマタを「局納」してきた。ただ、収穫時期は寒さの厳しい冬で、出荷するには手作業で枝を蒸して黒皮を剥ぎ、水に浸す必要があるなど重労働で、生産は減少していた。福頼さんは産地を復活させようと、持っていた杉林を間伐。現在は約1万4000本を管理する。少しでも作業を楽にしようと機械化も思案中だ。「省力化できれば若い人も興味を持つはずだ。花が美しいので、花見コースも作って観光客を呼び込みたい」と展望を語る。

 鹿の食害気にせず徳島県那賀町 徳島県那賀町の林家らでつくる木沢林業研究会は、2013年から栽培を始め、現在25ヘクタールに植樹する。杉やケヤキは柵で囲っても鹿の食害に遭っていたが、自生していたミツマタは食べられないことに着目。雨などで林業の仕事ができないときの作業にもなると考えた。昨年には新たに作業場も建設した。亀井廣吉会長は、手作業で手間のかかる仕事が多いため、産業として成り立つには「局納価格の引き上げが必要」と指摘する。その上で、「自分たちが栽培したミツマタが紙幣になるのは誇り。那賀町の一大産業に持っていきたい」と意欲を示す。 美容液新しい用途に岡山県真庭市 岡山県真庭市で米の販売やガソリンスタンドなどを経営する(株)エイチケイ商会は、岡山理科大学との共同研究で、ミツマタの抽出液にメラニン生成抑制効果があることを突き止め、世界で初めてミツマタエキス配合の美容液を商品化した。ミツマタは同市の伝統産業である和紙の原料。ギフト商品用に和紙を使っていた同社が産地の窮状を知り、新商品の開発に乗り出した。美容液は、寒さの厳しい時期にも作業をする紙すき職人の手がきれいなことから着想。「結の香ホワイトセラム」と名付け、ホームページなどで昨年10月に発売。30ミリリットル8640円で販売し、40~70代女性から人気が高く、既にリピーターも付いているという。同社の内藤靖史会長は「新しい用途ができたことで、伝統を守る一助となればうれしい」と力を込める。今後はせっけんなど他の商品も開発する考えだ。同市の美和局納三椏(みつまた)生産組合の山崎茂さん(67)によると、かつてはミツマタと炭で生計を立てていたが、輸入増加などで市内の生産量は最盛期の20分の1程度だという。それだけに「化粧品ができるなんて半信半疑だったが、素晴らしい。生産にも張り合いが出る」と気を引き締める。

生産量10分の1 日本特産農産物協会によると、ミツマタの生産量(黒皮換算)は、16年が10年前と比べ10分の1の29トンまで減少。白皮で見ると9・4トンしかない。国立印刷局では、徳島、島根、岡山などから、白皮を1キロ当たり約3000円で購入。ここ数年は白皮8トン前後の取引で推移しているが、外国産と比べ価格が4倍に上ることから「現状を維持していく」(広報官室)考えだ。


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