(エーブィエ バイオファーム) 2018/07/04 09:00 小谷 卓也=日経デジタルヘルスフィリップス・ジャパンは、イノベーション研究開発拠点「PHILIPS Co-Creation Center」を2019年3月に宮城県仙台市に設立する。ICTなどを活用した健康・医療の新たな価値創造に向け、大学や医療機関、企業、自治体など、さまざまな組織との協創の場とすることを目指す。「さまざまな組織との協創を通じて、日本でのイノベーションをグローバルに発信する」。記者会見に登壇したフィリップス・ジャパン 代表取締役社長の堤浩幸氏はこう語る。拠点を設立する東北地方は、高齢化による医療費の増大や医師不足など、医療をとりまく課題が多い地域だと同氏は指摘。そのことが、「イノベーションの発信に最も適したエリアになる」(同氏)との考えから、仙台市への拠点設置を選択したとする。 加えて、東北大学の先導的な研究開発や多様な人材、同大学病院の医療現場などを活用し、同大学と密な連携を図っていくことも、今回の拠点設置の大きな意義だと堤氏は説明する。「先導的学術機関との融合、そして現場視点でのイノベーションを創出できる」(同氏)。PHILIPS Co-Creation Centerには、ワークショップ型のデザインシンキングを進める環境を導入することで議論の活性化を図るほか、例えばVR/ARなどの新規技術を体感するショースペースやトレーニングスペースを設けることで、技術の体得や創造性の向上を狙う。そして、新しいアイデアを迅速に試作する環境や機器(3Dプリンターなど)を導入することにより、アジャイル型開発を進める考え。 取り組むテーマとしては、口腔ケアを第1弾に挙げる。その後、睡眠・食事・運動などのテーマにも取り組む考え。いずれも、単なる関連プロダクトの開発ではなく、それぞれのテーマに対する行動変容の追求と一体化したイノベーションを目指す。「いわゆる(狭義の)研究拠点としてプロダクトの開発を進めるのではなく、それぞれの課題を見出し、どうすれば行動変容につながるのかを探っていく」とフィリップスの担当者は強調する。
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