(エーブィエ バイオファーム) 公開日時 2018/07/04富士フイルムグループのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は7月3日、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が減少することで、皮膚の一部が白く抜ける白斑に対し、患者本人から皮膚組織を採取して培養し、白斑部位に移植することで色素を再生する自家培養表皮「ACE02」の治験計画届を医薬品医療機器総合機構に提出したと発表した。白斑には、後天的にメラノサイトが破壊されて発症する尋常性白斑や、先天的な遺伝子異常により発症するまだら症がある。尋常性白斑の治療では、ステロイドなどの外用薬の塗布、患部への紫外線照射などが行われるが、有効でない場合やまだら症には、患者本人から採取した、メラノサイトを含む皮膚組織の移植を行う。しかし、採取できる皮膚組織の面積が小さく、一度の手術で広範囲を均一に治療することが難しいという。そこでJ-TECは、患者本人の皮膚組織を採取してメラノサイトを保持したまま培養し、大きな面積のシート状に作製し、治療効果を治験で検証することにした。今回の治験は両方の白斑の安定期の患者を対象に、山形大学医学部附属病院、名古屋市立大学病院など全国7施設で行う予定としている。同社は、「ACE02」を通じ「皮膚科領域の再生医療等製品の開発に進出し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指す」としている。尋常性白斑は国内で約15万人、まだら症は国内で数千人と推定されているという。
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