Wednesday, July 4, 2018

Sublingual immunotherapy:SLIT舌下免疫療法(SLIT)の現状: シダキュアスギ花粉舌下錠


(エーブィエ バイオファーム) わが国でスギ花粉症に対する舌下免疫療法(sublingual immunotherapySLIT)の治療薬が2014年に発売されて,既に3年目のスギ花粉シーズンが経過し,その安全性および治療効果,使用上の問題点などが明らかになってきた。ダニSLITの錠剤が2015年に世界に先駆けて発売されて2年以上が経ち,世界共通のダニアレルギーに対して,世界の約20カ国で承認・販売されている。SLITは,世界各国でこれまで施行されてきた皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapySCIT)に代わる,より安全な治療方法として発展してきている。現在は12歳以上が治療対象であるが,5歳以上の症例に対する適応拡大が近づいている。また,両者の併用についても症例数が増えてきたので検討する。

アレルギー性疾患に対する免疫療法の歴史 1910年,世界で初めての免疫療法がNoon1)によりLancetに発表されて以来,アレルゲン免疫療法は100年を超える歴史を持つ。最初の治療法は,抗原を抽出してつくった治療用ワクチンを注射するSCITとして実施されたが,局所の疼痛やアナフィラキシーなどの副作用が大きな問題であり,これに代わる,より安全な治療法の確立が望まれていた。30年前より欧州において,これまで用いられてきた皮下注射用治療ワクチンを舌下に大量に服用するSLITが施行されるようになり,より安全な治療方法として治療実績を上げてきた。1998年には世界保健機関(World Health Organization WHO)も,アレルゲン免疫療法は,対症療法とは根本的に異なり疾患の根治も望める根本的な治療であること,そしてアレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎,重症を除く気管支喘息に適応があること,治療期間は現状において明確なエビデンスの蓄積がないものの,これまでの使用経験により35年必要であること,標準化抗原の使用が望ましいことなどをposition paperにて公表した。

鳥居薬品 アレルギー免疫療法薬「シダキュアスギ花粉舌下錠」 6月29日発売 公開日時 2018/06/20 03:50 鳥居薬品はこのほど、スギ花粉症に対するアレルギー免疫療法薬のシダキュアスギ花粉舌下錠を6月29日に新発売すると発表した。薬価は2000JAU1錠57.70円、5000JAU1錠144.10円(1日薬価:144.10円)。シダキュア舌下錠は、既存のシダトレンスギ花粉舌下液よりも高力価の製剤であることに加え、年齢制限なく小児から成人まで使用でき(シダトレン舌下液は12歳以上)、室温保存も可能(同、冷蔵保存)。また、シダトレン舌下液は投与2週目までの増量期の用法・用量が複雑だが、シダキュア舌下錠は1日1回1錠の服用のため、利便性が高い。シダキュア舌下錠の用法・用量は、舌下に1分間保持した後に飲み込む。その後、5分間はうがいや飲食を控える。舌下液と同じく3年程度の継続投与が必要となる。スギ花粉症に対するアレルギー免疫療法薬として、▽年齢制限がない▽舌下錠との剤形――は国内初となる。利便性の高いシダキュア舌下錠の市場投入後も舌下液を取り扱うかどうかについて、同社広報部は本誌取材に、「シダキュア舌下錠の販売状況を踏まえて、シダトレン舌下液の販売について検討する」と述べた。

 


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