2012年08月16日PM07:00シカゴ医学大学の研究者は、食品の抗ガン剤に与える影響について研究を行った。その結果、1日8オンス(およそ230g)のグレープフルーツジュースを摂取すると、抗ガン剤として用いられるシロリムスなど、いくつかの薬物の代謝を遅らせることが分かった。 シロリムスは、もともと臓器移植の拒絶反応を防ぐ目的で開発されたが、ガン治療への効果も期待されている。研究者チームは、すでに有効な治療法がないとされるレベルまで進行しているガン患者138人を3つのグループに分け、シロリムスとグレープフルーツジュース、シロリムスと薬物代謝を遅らせるケトコナゾール、シロリムスのみを投与する実験を実施した。薬の投与量を減らすことで、副作用の軽減と医療費の削減につながる 研究の結果、グレープフルーツジュースには、腸内酵素を阻害することで、シロリムスなどいくつかの薬が分解されるまでの時間を遅らせる。数時間程度で効果を発揮し始め、数日間連続することが分かった。このグレープフルーツジュースに含まれるP450酵素の働きを利用することにより、薬が体内で代謝されるスピードを遅らせることで、投与量が削減できれば、患者の副作用の軽減や医療費の削減につながると、研究者ら考える。また、グレープフルーツジュースを治療に利用する最大の利点は、過剰摂取のリスクがなく、毒性もないということにある。
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